子供の抱っこして!などの心理的甘えには全力で応えることにした理由
大好きで大切な我が子。
子供からの「ママ、抱っこして!」などと甘えられるのはもちろん可愛いけれど、子供を甘やかし過ぎては将来自立できないのではないか……と不安に思うママもいるのではないでしょうか?
私自身「子供の自立を妨げるのではないか。」と心配で、3歳頃まで子供の甘えを突き放してきました。
今思うと、なぜあのとき子供の甘えに応えてあげなかったんだろうと後悔しています。
そのため現在娘は5歳になりますが今は「抱っこして!」などと甘えてきたら、全力で受け止めるようにしています。
今回は、あえて子供を突き放してきた私が子供の甘えを受け止めるようになった理由についてまとめてみました。
■私が子供をあえて突き放してきた理由
親の立場になった今思い返すと、私は自分の親からかなり過保護に育てられてきました。
結婚し子供を産んでも私に対して過保護に関わる親との関係に、違和感はどんどん大きくなりました。
振り返れば小さい頃からずっと、何ともいえない「生き辛さ」を感じていました。その原因が親との関係にあることが分かり、「私は娘に同じ思いをさせてはいけない。」そんな強い責任感が芽生えました。
そういったことが理由で、まだ1~2歳の娘が抱っこをせがんできても「自分で歩きなさい!」などとあえて抱き上げずに突き放してきました。
「私は親から甘やかされすぎるあまり息苦しい毎日を送ってきたのだから、厳しく接すれば、娘は大人になって同じような思いをしないのではないか……。」そう思ったのです。
しかし、私の願いとは裏腹に娘は何だか精神的に不安定に……。癇癪がひどく、それが原因で痙攣を起こすことも度々ありました。
そういった不安定な様子に気付いていないわけではなかったけれど、離婚や仕事など自分自身に余裕がなかった私は娘の心のケアを十分にすることができず……。それどころか、娘と正面から向き合うことを避けていました。
「私といると、娘はしんどいだけの人生を歩むことになるのではないか。」という、不安というより「恐怖」に近いものが、私の中で常に渦巻いていたのです。
■娘との関わり方が変わったきっかけ
そんな私も、離婚が成立したりうつで仕事を辞めて療養する中で、少しずつ心にゆとりが戻ってきました。
自分自身のこと、大切な娘とのことなど……時間を掛けて少しずつ見つめ直し、家族関係や親子の在り方など、さまざまな本を読みました。また、たまたま心理学の専門家の先生からの講義を受ける機会もありました。
そういったことを通して、子供の甘えには次の2種類があることを知りました。
- 子供の自立のために必要な甘え:子供自身から「抱っこ!」「お膝に座りたい。」など、精神的に甘えてきたとき。また、いつもは一人でできることを、親にやってほしいとお願いしてきたときも「甘え」に入ります。
- 子供の自立を妨げる甘やかし:例えば子供が着替えようとしているのに、「お母さんがやったほうが早いからやってあげる」などと子供が自分でしようとしていることを親が先回りしてしてしまうことは、子供の自立を妨げます。また、子供がおもちゃやお菓子など欲しがるものを何でも買い与え、物質的に甘えさせることも「甘やかし」です。
こうして親子関係について学んだことで、私は今までの娘との関わり方を見直すことに……。
一方娘は、年齢が上がるのと同時に「抱っこ!」や「お膝がいい!」など甘えてくることが増えました。それと同じくらいのタイミングで、私自身のうつも徐々に回復。
体も気持ちもゆったりと構えられるようになった私は「今までの娘との関わり方は何か違う。娘の気持ちに寄り添えていなかった……。」と感じ、全力で向き合うことを決意しました。
■関わり方を変えてからの今の私と娘の様子
娘はこども園では「真面目でしっかり者」。家では「甘えん坊」といった具合で、自分の中で切り替えているよう。
帰ってくると、「ママ、抱っこー!」「トイレ一緒に着いてきて!」など、本当にべったり。私自身の体調が悪かったり、疲れていたりするときはついイライラしてしまうこともあるのですが、できる限り甘えてきた娘に応えられるよう心掛けています。
もう1年以上そんなべったり状態が続いており、現在も継続中。
年齢的なものもあると思うのですが、激しい癇癪や痙攣を起こすこともなく、最近は落ち着いています。
もちろん、親子で喧嘩をすることはありますが「~だから嫌だった。」などと自分が感じたことをお互いに伝えられるようになりました。
■今しかない子供との時間だから大切に関わりたい
子供が甘えてくるのは、長い目で見たらほんの一瞬。子供のペースにじっくり付き合えるのも期間限定です。
「ちょっと一人にさせてよ。」とイライラしそうになったときは、「あとこの子とどれくらい一緒の時間を過ごせるんだろう。」と考えるようにしています。
抱っこしたり膝の上にのせたり、手をつないだり……肌と肌が触れあう親子の時間は、ママ自身にとってもエネルギーをもらえる大切なもの。
子育てに疲れたときは「今しかない大切な子供との時間」ということを思い出せば、子供のありのままをしっかり受け止められるのではないでしょうか。